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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻5号

2012年05月発行

文献概要

特集 図説 胃と腸用語集2012 治療

内視鏡的粘膜下層剝離術(endoscopic submucosal dissection;ESD)

著者: 川田登1 小野裕之1

所属機関: 1静岡県立静岡がんセンター内視鏡科

ページ範囲:P.878 - P.878

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 1980年代初頭に内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection;EMR)が開発され,早期胃癌に対する内視鏡治療が一般的に行われるようになった.しかし,EMRは切除可能な病変サイズが小さいため分割切除が多く,遺残再発率が高いという問題点があった.内視鏡的粘膜下層剝離術(endoscopic submucosal dissection;ESD)はそれらを克服するために開発された,粘膜および粘膜下層を切開・剝離し,一括で切除する方法である(Fig. 1).

 ESDは,1983年に平尾ら1)によって報告されたERHSE(endoscopic resection with local injection of hypertonic saline-epinephrine solution)法を原型としている.ERHSEは局注後に高周波針状ナイフを用い病変周囲を全周切開し,スネアを用いて切除する方法であり,正確な切除範囲を決定できる方法であった.しかし手技の難易度が高く,またスネアのサイズ以上の病変は切除できないことや,当時はデバイスや高周波装置が未熟で出血や穿孔のリスクが高いなどの理由により,広く普及しなかった.

参考文献

1)平尾雅紀,小林多加志,長谷良志男.胃の腫瘍性病変に対する内視鏡的切除法.Gastroenterol Endosc 25 : 1942-1953, 1983
2)小野裕之,後藤田卓志,山口肇,他.ITナイフを用いたEMR─適応拡大の工夫.消内視鏡 11 : 675-681, 1999
3)小山恒男,菊池勇一,友利彰寿,他.食道癌に対するEMRの選択方法─新しいEMR手技 : Hooking EMR methodの有用性.臨消内科 16 : 1609-1615, 2001
4)矢作直久,藤城光弘,角嶋直美,他.早期胃癌に対する切開・剝離法の治療成績と問題点─細径スネア・フレックスナイフ.胃と腸 39 : 39-43, 2004
5)Yamamoto H, Yube T, Isoda N, et al. A novelmethod of endoscopic mucosal resection using sodium hyaluronate. Gastrointest Endosc 50 : 251-256, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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