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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻5号

2012年05月発行

文献概要

特集 図説 胃と腸用語集2012 治療

胃癌の病変範囲診断

著者: 小山恒男1

所属機関: 1佐久総合病院胃腸科

ページ範囲:P.880 - P.880

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 胃癌はHelicobacter pylori菌感染に基づく慢性胃炎を背景として発生することが多く,このような胃粘膜は厚い粘液で覆われている.したがって,より正確な情報を得るためにはよい前処置が必要である.検査前にプロナーゼと重曹を内服させ,胃粘膜に付着した粘液を分解しておくこと,さらに内視鏡挿入時にはガスコン水を用いて粘液を丹念に洗い落とすことが重要である.

 範囲診断のために,通常内視鏡で観察すべきポイントは色調変化(発赤,褪色,黄色など)および段差(隆起,陥凹),表面性状(不整の程度,アレア模様の差)である.分化型癌は原則として全層置換するため,癌腺管が粘膜表層に露出する.したがって,通常は色調差や段差で病変境界を認識することができる.一方,低分化型癌は腺頸部を側方進展するため,その病変範囲診断は難しい.

参考文献

1)八尾建史.早期胃癌診断に用いるVS classification system.八尾建史.胃拡大内視鏡.pp 107-118,日本メディカルセンター,2009
2)小山恒男.拡大内視鏡による胃癌診断.小山恒男(編).ESDのための胃癌術前診断.pp 43-59,南江堂,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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