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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻5号

2012年05月発行

文献概要

特集 図説 胃と腸用語集2012 治療

先端透明フード

著者: 山野泰穂1

所属機関: 1秋田赤十字病院消化器病センター

ページ範囲:P.883 - P.883

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 先端透明フードは内視鏡の先端に装着する補助デバイスであり,主たる目的は至適距離および視野確保である.歴史的に内視鏡の先端にフードを装着することは古くから行われ,標準装備であった時代もあったとされている1).以前は黒色ゴム様の素材であったが,近年では透明あるいは半透明な硬質プラスチックや塩化ビニル素材が用いられることが多く,形状も円筒形から斜型や先端爪型まである(Fig. 1~3).

 先端透明フードの具体的な効果としては,前述の至適距離および視野確保による効果に不随するもので,挿入性の向上2)~4),観察死角の軽減1),病変指摘率の向上5),攣縮した腸管での処置・観察のアシストが期待でき,拡大内視鏡を用いた際のフォーカス合わせや,NBI(narrow band imaging)での簡易的浸水観察にも使用できる.また憩室出血の際の出血点の検索,治療6)にも役立ち,2012年4月から保険収載された大腸ESD(endoscopic submucosal dissection)の際にも粘膜下層の視野展開ばかりではなく,安全性の担保にも役立っている7)

参考文献

1)片山修,石川雅枝,今井和子,他.内視鏡装着フードを用いた挿入の工夫.消内視鏡 19 : 380-383, 2007
2)Kondo S, Yamaji Y, Watanabe H, et al. A randomized controlled trial evaluating the usefulness of a transparent hood attached to the top of the colonoscopy. Am J Gastroenterol 102 : 75-81, 2007
3)Harada Y, Hirasawa D, Fujita N, et al. Impact of a transparent hood on the performance of total colonoscopy : a randomized controlled trial. Gastrointest Endosc 69 : 637-644, 2009
4)鳥居恵雄,金井雅史,山川雅史,他.大腸内視鏡において斜型透明フードは有効か? 消内視鏡 15 : 1639-1644, 2003
5)Youj T, Inoue T, Hanaoka N, et al. Surveillance colonoscopy using a transparent hood and Image-Enhanced Endoscopy. Dig Endosc 22(Suppl 1): S47-S53, 2010
6)浦上尚之,高橋寛,藤田力也,他.憩室出血に対するフード法の有効性.Gastrointest Endosc 60 : 47, 2001
7)矢作直久.大腸の内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)─(2)Flexナイフを用いた基本手技.改訂第2版消化管内視鏡治療のコツとポイント.日本メディカルセンター,pp 254-259, 2007
8)池松弘朗,依田雄介,宮本英明,他.内視鏡装着フードの有効な使い方.消内視鏡 23 : 1530-1534, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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