文献詳細
特集 図説 胃と腸用語集2012
治療
内視鏡的バルーン拡張術(endoscopic balloon dilation;EBD)
著者: 平井郁仁1
所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器内科
ページ範囲:P.884 - P.884
文献概要
上部消化管では,食道,胃の進行癌,アカラシア,良性潰瘍による幽門狭窄,内視鏡的粘膜下層剝離術後の瘢痕狭窄およびCrohn病の幽門,十二指腸狭窄などに対して行われることが多い.下部消化管においては大腸癌,術後吻合部狭窄,Crohn病,虚血性大腸炎(狭窄型),NSAID(nonsteroidal anti-inflammatory drug)起因性腸炎,腸結核などが対象となる.拡張用のバルーンにはOTW(over-the-wire)バルーンとTTS(through-the-scope)バルーンがあるが,手技が簡便であり,最近では大径のものもあるためTTSバルーンが汎用されている.EBDは,狭窄部観察→ガストログラフィン®での造影→バルーン挿入→バルーン拡張→狭窄部観察(scope通過の有無確認)の手順で行う.主な合併症としては,出血と穿孔がある.出血は保存的にコントロール可能なことが多いが,穿孔時にはほとんどが外科的治療を要する.
参考文献
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