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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻6号

2012年05月発行

今月の主題 経鼻内視鏡によるスクリーニング

主題

経鼻内視鏡スクリーニングの実態と問題点―人間ドックの立場から

著者: 川田和昭1 小林秀昭1 吾川弘之1 宮澤正行1

所属機関: 1静岡赤十字病院 経鼻内視鏡センター

ページ範囲:P.917 - P.926

文献概要

要旨 2002年に宮脇らが極細径スコープによる経鼻内視鏡検査を始めて10年が経過しようとしている.この間に経鼻内視鏡は急速な普及を遂げるとともに,そのスコープ性能,特に画質は長足の進歩を遂げている.しかしスコープの極細径化や経鼻挿入によって生じたいくつかの問題点を抱えているのも事実である.当院では2007年に経鼻内視鏡センターを開設し,独自の工夫を加えながら人間ドックを中心に経鼻内視鏡を活用している.現在使用している極細径スコープEG-530NWやEG-580NWの画質は経口内視鏡に匹敵するものであり,当院人間ドックでの経鼻内視鏡胃癌発見率も経口内視鏡のそれと差がないという結果であった.経鼻内視鏡の特性を熟知したうえで検査を行えば,スクリーニングには十分な診断能を有する検査法であると考えられる.

参考文献

1)栗田まどか,川田和昭,長倉祐子,他.経鼻内視鏡検査におけるインフォームド・コンセント.宮脇哲丸(監),川田和昭(編).コメディカルのための経鼻内視鏡ハンドブック─患者さんに笑顔を! 日経メディカル開発,2008
2)川田和昭,広川雅彦,吾川弘之.ガスコン水150mlを用いた経鼻内視鏡検査─レンズ面の洗浄力を補うための工夫.Gastroenterol Endosc 51 : 1586-1587, 2009
3)川田和昭,長濱貴彦,広川雅彦,他.経鼻内視鏡は本当に楽だという立場から.消内視鏡 20 : 403-409, 2008
4)日本消化器がん検診学会全国集計委員会.平成18年度,平成19年度および平成20年度消化器がん検診全国集計資料集.(社)日本消化器がん検診学会,2008-2010
5)川田和昭.人間ドックにおける経鼻内視鏡胃がん検診を円滑に行うための工夫.日消がん検診誌 49 : 517-526, 2011
6)細川治,服部昌和,武田孝之,他.胃がん拾い上げにおける内視鏡検査の精度.日消集検誌 42 : 33-39, 2004
7)第46回日本消化器がん検診学会付置研究会.3胃内視鏡検診標準化研究会「見逃しと対策・検査精度」抄録.日消がん検診誌 45 : 67-69, 2007
8)吉村理江,志賀典子,那須繁,他.経鼻内視鏡を用いた胃内視鏡検診における偽陰性例の検討.日消がん検診誌 49 : 618-626, 2011
9)吉田行哉,中山聡,江副純,他.視野角140度の広角とFICEの威力.消内視鏡 22 : 800-811, 2010
10)宮脇哲丸,野瀬道宏,佐藤徹,他.第1,2,3世代経鼻内視鏡の胃癌診断能に関する検討─経鼻用スコープの改良と診断能との関係について.日消がん検診誌 48 : 636-646, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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