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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻6号

2012年05月発行

文献概要

胃と腸 図譜

胃内分泌細胞癌

著者: 宮永太門1 海崎泰治2 細川治3

所属機関: 1福井県立病院外科 2福井県立病院臨床病理科 3横浜栄共済病院外科

ページ範囲:P.1018 - P.1020

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1概念,病態

 胃内分泌細胞癌は高異型度の腫瘍性内分泌細胞から構成され,急速に発育して早期より転移を来す予後不良の高悪性度癌である.「胃癌取扱い規約第14版」では特殊型の1つとして示されている.胃内分泌細胞癌の組織発生は分化型腺癌が先行的に発生し,内部に生じた腫瘍性内分泌細胞が急速に発育・進展する機序が推定されており,WHO分類1)では神経内分泌成分が70%以上のものを神経内分泌癌(neuroendocrine carcinoma),30~70%のものをmixed adeno-neuroendocrine carcinomaと呼称している.「胃癌取扱い規約」では,神経内分泌成分の多寡を分類には採用せず,内分泌細胞胞巣形成を示すものを内分泌細胞癌と称しており,量的に優勢な組織像に基づいて亜分類するという規定に相反する場合も発生する.発生頻度は胃癌全体の約0.6%で,やや男性優位が目立つ程度である2)

参考文献

1)Solcia E, Arnold R, Capella C, et al. Neuroendocrine neoplasms of the stomach. In Bosman FT, Carneiro F, Hruban RH, et al(eds). WHO Classification of Tumours of the Digestive System. IARC Press, Lyon, pp 64-68, 2010
2)海崎泰治,細川治,宮永太門,他.特殊な成り立ちの早期胃癌─内分泌細胞癌.胃と腸 44 : 730-734, 2009
3)岩渕三哉.胃の内分泌細胞癌の特性.病理と臨 23 : 966-973, 2005
4)倉本正文,蓮尾友伸,石原光二郎,他.胃小細胞癌の1例.日臨外会誌 66 : 2436-2440, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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