文献詳細
文献概要
学会印象記
JDDW 2011(第19回日本消化器関連学会週間)―胃領域の視点から
著者: 春日井邦夫1
所属機関: 1愛知医科大学消化器内科
ページ範囲:P.1034 - P.1035
文献購入ページに移動さて,1日目は暑いほどの好天に恵まれ,既にどこの会場も多くの人々で混雑していた.ポスター会場のマリンメッセ福岡のアリーナは商業展示と同じフロアで広々としてにぎやかであったが,大変蒸し暑く,日頃スーツを着慣れていない私たちにとっては辛いものがあった.しかし,そんな状況をものともせず,ポスターの前には多くの先生たちが集まり活発な討論が行われてさらなる熱気に満ちていた.私の担当した胃の基礎研究のセッション「胃─基礎3」では,EGF受容体transactivationのメカニズムの解析やDNAメチル化と胃癌の発生や進展との関連など興味深い報告が多数あった.HP(Helicobacter pylori)菌感染により異常メチル化が誘発されることは既に知られているが,EBV(Epstein-Barr virus)感染胃粘膜においても高頻度にDNAメチル化異常が起きているとの報告や,DNAメチル化異常の網羅的解析による新規胃癌関連遺伝子の検索など,現時点では臨床応用にはまだハードルは高いと思われたが,今後の研究のさらなる進展が期待される発表であった.
掲載誌情報