文献詳細
学会印象記
JDDW 2011(第19回日本消化器関連学会週間)―大腸領域,特に炎症性腸疾患に関する視点から
著者: 光山慶一1
所属機関: 1久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門
ページ範囲:P.1035 - P.1036
文献概要
まず,2日目(21日)のサテライトシンポジウム10「これからの潰瘍性大腸炎治療とタクロリムスが果たす役割」では,渡辺守先生(東京医科歯科大学)と緒方晴彦先生(慶應義塾大学)の司会のもとで,5人の先生方によりタクロリムスの基礎研究から使用法・長期予後に至るまでの幅広い発表があった.大規模な比較試験はまだ実施されていないが,札幌厚生病院の本谷聡先生から,潰瘍性大腸炎に対する寛解導入効果は抗TNF-α抗体とタクロリムスとで同等であるという自施設でのデータが紹介された.一方で,タクロリムスの寛解維持効果のエビデンスは得られておらず,タクロリムスにより寛解導入が得られた後には別の維持治療が必要であることが報告された.
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