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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻7号

2012年06月発行

文献概要

胃と腸 図譜

腸アミロイドーシス

著者: 多田修治1 神尾多喜浩2

所属機関: 1済生会熊本病院 消化器病センター 2済生会熊本病院 中央検査部病理

ページ範囲:P.1168 - P.1171

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1 概念,病態

 アミロイドーシスは,β構造を有する線維蛋白質を主成分とするアミロイド物質が細血管周囲に沈着する難治性疾患である.消化管は,腎臓,心臓と同様にアミロイド沈着の好発臓器で,沈着する部位や量,さらにはアミロイド蛋白の種類により異なった沈着様式を認めるため,様々な臨床症状や画像所見を呈する1).現在,線維蛋白の違いから25種類以上の型に分類されているが,消化管に沈着する蛋白では,慢性炎症による急性期蛋白SAA(serum amyloid A protein)を前駆体蛋白としたAA型(amyloid of A protein),免疫グロブリンL鎖から成るAL型(amyloid of light chain of Ig),長期透析患者に発生するβ2-ミクログロブリン由来のAβ2M型(amyloid derived from hemodialysis),家族性でトランスサイレチン由来のATTR型(amyloidgenic transthyretin)が重要である2)3)

参考文献

1)Tada S, Iida M, Yao T, et al. Endoscopic features in amyloidosis of the small intestine : clinical and morphologic differences between chemical types of amyloid protein. Gastrointest Endosc 40 : 45-50, 1994
2)多田修治,飯田三雄.アミロイドーシス.八尾恒良,「胃と腸」編集委員会(編).胃と腸アトラス1,医学書院,pp 354-359,2001
3)山口賢治,山根隆明,平田稔彦,他.透析アミロイドーシスにより難治性の麻痺性大腸イレウスを来した1例.日消外会誌 41 : 676-681,2008
4)Ebert EC, Nagar M. Gastrointestinal manifestations of amyloidosis. Am J Gastroenterol 103 : 776-787, 2008
5)Lachmann HJ, Goodman HJ, Gilbertson LA, et al. Natural history and outcome in systemic AA amyloidosis. N Engl J Med 356 : 2361-2371, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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