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胃と腸 図譜
腸アミロイドーシス
著者: 多田修治1 神尾多喜浩2
所属機関: 1済生会熊本病院 消化器病センター 2済生会熊本病院 中央検査部病理
ページ範囲:P.1168 - P.1171
文献購入ページに移動アミロイドーシスは,β構造を有する線維蛋白質を主成分とするアミロイド物質が細血管周囲に沈着する難治性疾患である.消化管は,腎臓,心臓と同様にアミロイド沈着の好発臓器で,沈着する部位や量,さらにはアミロイド蛋白の種類により異なった沈着様式を認めるため,様々な臨床症状や画像所見を呈する1).現在,線維蛋白の違いから25種類以上の型に分類されているが,消化管に沈着する蛋白では,慢性炎症による急性期蛋白SAA(serum amyloid A protein)を前駆体蛋白としたAA型(amyloid of A protein),免疫グロブリンL鎖から成るAL型(amyloid of light chain of Ig),長期透析患者に発生するβ2-ミクログロブリン由来のAβ2M型(amyloid derived from hemodialysis),家族性でトランスサイレチン由来のATTR型(amyloidgenic transthyretin)が重要である2)3).
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