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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻8号

2012年07月発行

文献概要

今月の主題 胃ポリープの意義と鑑別 主題

通常光における胃隆起性病変の鑑別診断

著者: 赤松泰次1 下平和久2 松澤正浩2 張淑美2 坂口みほ2 市川徹郎3 横澤秀一4 菅智明4 宮林秀晴5

所属機関: 1地方独立法人長野県立病院機構長野県立須坂病院内視鏡センター 2地方独立法人長野県立病院機構長野県立須坂病院内科 3地方独立法人長野県立病院機構長野県立須坂病院臨床検査科 4信州大学医学部消化器内科 5独立行政法人国立病院機構まつもと医療センター松本病院内科

ページ範囲:P.1200 - P.1208

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要旨 胃隆起性病変の鑑別診断は,内視鏡所見をもとにしたアルゴリズムに従って行う.病変をみてすぐに疾患名を考えるのではなく,それぞれの分岐点でポイントとなる所見に注目して鑑別すると,理論的に読影することができる.隆起性病変を認めたら,“表面の性状”と“立ち上がりの所見”より,まず上皮性病変か非上皮性病変かを鑑別する.上皮性病変と判断したら,次に“形状”と“色調”より腫瘍性か非腫瘍性かを区別する.さらに上皮性腫瘍性病変と判断したら,病変の“大きさ”と“色調”によって癌と腺腫を鑑別する.上皮性非腫瘍性病変には,過形成性ポリープと胃底腺ポリープのほか,消化管ポリポーシスに伴う胃病変などがあるが,鑑別は比較的容易である.一方,非上皮性病変は病変の“大きさ”,“形状”,および“潰瘍形成の有無”によって良悪性を鑑別する.一部の胃癌は,例外的に粘膜下腫瘍様の形態を示す場合がある.

参考文献

1)赤松泰次,高橋俊晴,市川真也,他.胃癌の標準的な内視鏡診断.消内視鏡 22 : 12-17, 2010
2)横澤秀一,赤松泰次,北原桂,他.内視鏡的に切除した胃hamartomatous inverted polypの1例.ENDOSCOPIC FORUM for digestive disease 25 : 162-167, 2010
3)菅智明,赤松泰次,中村直,他.自然消褪した若年性ポリポーシスの1例.胃と腸 36 : 1307-1314, 2001
4)赤松泰次.胃粘膜下腫瘍へのボーリングバイオプシーの適応.日本医事新報 4494 : 79-80, 2010
5)Yokoyama T, Nakamura N, Kiyosawa K, et al. A biopsy-negative esophageal cancer : diagnosis by combination of bitebiopsy and endoscopic mucosal resection using a cap-fitted panendoscope(EMRC). Endoscopy 33 : 386, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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