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今月の主題 潰瘍合併早期胃癌の診断と治療 序説
ESD時代の潰瘍合併早期胃癌の診断と治療の問題点
著者: 芳野純治1
所属機関: 1藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院内科
ページ範囲:P.5 - P.6
文献購入ページに移動病巣内に潰瘍を有する胃癌に対する診断は,「胃と腸」誌でこれまで特集として取り上げられたことはなかった.その理由として,これらの病変では,開放性潰瘍においては潰瘍周囲の炎症性細胞浸潤や浮腫による影響,潰瘍瘢痕においては瘢痕に伴う線維組織の修飾により,X線検査,内視鏡検査,超音波内視鏡検査のいずれによっても,深達度の正確な診断が困難であることが挙げられる.しかし,胃癌に対して内視鏡的切除が行われるようになると,潰瘍の有無,特に潰瘍瘢痕の有無を正確に診断することが適応を決定するうえで重要な要因となる.また,癌巣内潰瘍の存在は内視鏡的切除により得られた標本を検索し,根治の判定を行ううえでも必要である.
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