文献詳細
Letter to the Editor
「画像診断道場:胃体部大彎の皺襞異常を伴う小潰瘍病変」(尾割道代,他.47巻13号2032-2035, 2012)に対して
著者: 高木國夫1 尾割道代2 中島寛隆2 長浜隆司2
所属機関: 1仁圭会 林外科病院 2公益財団法人早期胃癌検診協会
ページ範囲:P.1513 - P.1516
文献概要
次に,切除標本 (11) について,黄色い点線で示されているCaと黒点のSSを除いた写真とともに,小潰瘍の拡大像も提示すべきである.黄色い点線のCaの範囲の粘膜像と正常粘膜像との境界が全く理解できない.本症例では,「切除標本 (11) は大彎ひだの所見を連続性に評価するために小彎で切開した.」と述べているが,全摘胃を小彎で切開して伸展すると,大彎側の筋層を伸展しても,粘膜層は弛んでしまい,粘膜下層以下の癌浸潤による粘膜層の変化が理解しにくくなる.本症例の粘膜下層への広範な浸潤範囲は,胃X線検査ならびに内視鏡検査で,さらに術前の外科側で理解しえたであろうか? LP(linitis plastica)型胃癌であったから,胃全摘でよいと考えていたのであろう.なお,全摘標本の小彎切開を指定したのは,検査側なのか,外科側なのかを知りたい.
参考文献
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