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文献詳細

雑誌文献

胃と腸48巻11号

2013年10月発行

文献概要

今月の主題 組織混在型粘膜内胃癌の診断 主題

組織混在型早期胃癌の内視鏡的特徴―拡大内視鏡

著者: 小山恒男1 高橋亜紀子1 友利彰寿1 篠原知明1 岸埜高明1 武田晋一郎1 若槻俊之1 久保俊之1 森主達夫1 山田崇裕1

所属機関: 1佐久総合病院胃腸科

ページ範囲:P.1619 - P.1628

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要旨 2012年1月~2月までの間に,ESDを施行した胃癌172例182病変を対象とし,肉眼系別に組織型と内視鏡所見の相関を検討した.主肉眼型は0-I型:9,0-IIa型:67,0-IIb型:7,0-IIc型:99病変であった.組織型はtub1,tub2,papを分化型,por,sig,mucを未分化型とし,純粋分化型,純粋未分化型,混在型の3群に分けた.また,混在型を分化混在型と未分化混在型に二分した.0-I型癌9病変中,2病変に未分化型癌の混在を認めた.2病変ともpap成分を有する0-I型癌であり,pap成分を有する0-I型癌は未分化混在を念頭に置く必要があると推察された.0-IIa型癌67病変中,18病変が混在型であり,このうち4病変が未分化混在型であった.腫瘍径が30mmを超えると,分化混在型や未分化混在型の頻度が増加していた.0-IIb型癌7病変中,1病変が分化混在型であったが,未分化型混在型は認められなかった.0-IIc型癌99病変中,42病変に混在型が認められ,17病変が未分化混在型であった.腫瘍径とともに分化混在型や未分化混在型の頻度が増加し,特に30mmを超えると,50%が未分化混在型であった.また,大きさにかかわらず,未分化混在型はすべてtub2成分を有していた.拡大内視鏡観察にて,表面構造の不明瞭化や,non-network血管が観察された場合は,未分化混在型の術前診断が可能であった.しかし,大きな病変全体を拡大観察することは困難であり,拡大内視鏡による組織混在型癌の診断には課題が残された.

参考文献

1)日本胃癌学会(編).胃癌治療ガイドライン医師用,3版.金原出版,2010
2)Nakayoshi T, Tajiri H, Matsuda K, et al. Magnifying endoscopy combined with narrow band imaging system for early gastric cancer : Correlation of vascular pattern with histopathology(including video). Endoscopy 36 : 1080-1084, 2004
3)小山恒男(編).ESDのための胃癌術前診断.南江堂,pp 43-59,2010
4)小山恒男,友利彰寿,岸埜高明,他.拡大内視鏡による胃癌組織型診断.胃と腸 46 : 933-942, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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