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文献詳細

雑誌文献

胃と腸48巻12号

2013年11月発行

Coffee Break

見る 11.汝自身になる

著者: 長廻紘

ページ範囲:P.1810 - P.1810

文献概要

 日常的に経験する世界は,実は存在の表層(外側)にすぎないし,人間の意識も表層意識にすぎない.現実世界は表層から深層まで多層を成し,人間の意識も同じように多層を成す.われわれが見ているのは現実のほんの上面にすぎなくて,その下に多くの層が重なって垂直方向に底の方へ広がっている.最も深い所にこの世を奥の奥で統べるものが位置する.ものの真相を知るとは,この存在の深層を見ることに他ならず,それができるのは修行によって開かれた深層意識によってである(物と意識の多重構造説).

 内視鏡の経験を積むことは,表面の色や形を超えた,病変の真相が見えるようになることである.そのように考えるのが神秘主義である.外に向かう心の動き,すなわち経験的次元で働く認識機能(感覚,知覚,理性など)を抑え,意識の全エネルギーを一点に集中し異質の認識機能の発動を促そうとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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