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文献詳細

雑誌文献

胃と腸48巻12号

2013年11月発行

文献概要

症例

深達度診断が難しかった表在食道癌の1例

著者: 飯塚敏郎1 菊池大輔1 山田晃弘1 山下聡1 布袋屋修1 貝瀬満1 大橋健一2

所属機関: 1虎の門病院消化器内科 2横浜市立大学大学院医学研究科病態病理学

ページ範囲:P.1811 - P.1818

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要旨 患者は70歳代の男性で,胸部中下部食道に存在する中央が陥凹した隆起性病変である.通常観察ではやや軟らかい感じがあったが,隆起が目立ち,NBI拡大像では,隆起部分を中心に新生血管と考えられる太い血管が分岐蛇行していた.EUSでもSM層への浸潤所見が認められたため,総合的に深達度SM2以深と診断した.ESDを施行後,組織学的検査を行うと,粘膜筋板までの浸潤で深達度はT1a-MMであった.通常観察で感じたやわらかさが実際の深達度を表現しており,深達度診断の難しさを改めて感じさせられた症例であった.

参考文献

1)門馬久美子,吉田操,藤原純子,他.食道表在癌の深達度診断─通常観察と色素内視鏡.胃と腸 46 : 650-663, 2011
2)村田洋子.食道表在癌の深達度診断─超音波内視鏡.胃と腸 46 : 687-693, 2011
3)有馬美和子,有馬秀明,多田正弘,他.食道表在癌の深達度診断─FICE併用拡大内視鏡.胃と腸 46 : 677-686, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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