文献詳細
私の一冊
「III型早期胃癌の診断に迫る─潰瘍の良・悪性の鑑別」26巻9号(1991年)
著者: 二村聡1
所属機関: 1福岡大学医学部病理学講座
ページ範囲:P.1819 - P.1819
文献概要
以下に,私の一冊として選出した理由を述べます.診断に携わっている病理医の多くは,切除標本の肉眼所見を正確を適切な用語を使って,正しく表現することは容易ではありません.これは,病理医に記述することの重要性を理解しています.ところが,肉眼所見になって最初にぶつかる大きな壁です.肉眼観察によって得られた所見を虚心坦懐に記述することの難しさと深遠さに直面し,危機感すら感じた小生は,勤務先の消化管外科医の推薦で本誌を定期購読し,隅々まで本気で読むようになりました(当初は内容と写真を理解するのが精一杯で,読了に相当の時間を割きました).新刊とともに,一人静かに医学図書館で既刊も毎月1冊読了することを自らに課していた2000年の春先に,前述の号に出会いました.
掲載誌情報