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文献詳細

雑誌文献

胃と腸48巻3号

2013年03月発行

文献概要

今月の主題 隆起型食道癌の特徴と鑑別診断 主題

隆起型食道扁平上皮癌の深達度診断―拡大内視鏡を中心に

著者: 友利彰寿1 小山恒男1 高橋亜紀子1 岸埜高明1 篠原知明1 國枝献治1 若槻俊之1 武田晋一郎1

所属機関: 1佐久総合病院胃腸科

ページ範囲:P.337 - P.345

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要旨 日本食道学会から食道扁平上皮癌の拡大内視鏡分類(日本食道学会分類)が提唱されたが,隆起型病変に対する診断精度は不明である.対象と方法:当院でESDを施行した隆起型扁平上皮癌40病変を対象とし,日本食道学会分類診断と病理組織像との相関を検討した.結果:正診は,Type B1が18病変中14病変,Type B2が13病変中4病変,Type B3が1病変中1病変であり,正診率は48%(40病変中19病変)であった.考察:誤診した原因は,(1)角化やびらんにより血管が視認不可能,(2)表層をEP~LPM癌に被覆された浸潤癌,(3)Type B2の深読みおよび浅読みの3つに大別された.(1)および(2)は通常観察での所見を,(3)はType B2領域のサイズおよび色調を加味することで,その大部分を正診することが可能であった.結語:日本食道学会拡大内視鏡分類に通常観察を加味することで,隆起型病変の深達度診断は向上すると考えられた.

参考文献

1)Kodama M, Kakegawa T. Treatment of superficial cancer of the esophagus : a summary of responses to a questionnaire on superficial cancer of the esophagus in Japan. Surgery 123 : 432-439, 1994
2)岩崎善毅,小池盛雄,滝沢登一郎,他.食道表在癌の病理.病理と臨 12 : 536-541, 1994
3)小山恒男,宮田佳典,島谷茂樹,他.第46回食道色素研究会アンケート調査報告─転移のあったm3/sm1食道癌の特徴.胃と腸 37 : 71-74, 2002
4)日本食道学会(編).食道癌診断・治療ガイドライン.金原出版,2012
5)日本食道学会(編).食道癌取扱い規約,10版補訂版.金原出版,2008
6)Oyama T, Ishihara R, Takeuchi M, et al. Usefulness of Japan Esophageal Society Classification of Magnified Endoscopy for the Diagnosis of Superficial Esophageal Squamous Cen carcinoma. Gastrointest Endosc 76 : AB441, 2012
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8)Arima M, Tada M, Arima H. Evaluation of microvascular pattern of superficial esophageal cancers by magnifying endoscopy. Esophagus 2 : 191-197, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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