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今月の主題 非腫瘍性大腸ポリープのすべて グラフ
pyogenic granuloma
著者: 佐野村誠1 佐々木有一1 江頭由太郎2 永田信二3
所属機関: 1北摂総合病院消化器内科 2大阪医科大学病理学教室 3広島市立安佐市民病院内視鏡内科
ページ範囲:P.1198 - P.1199
文献購入ページに移動pyogenic granulomaは1897年にPancetら1)により初めて報告されたポリープであり,膿原性肉芽腫,化膿性肉芽腫,肉芽組織型血管腫(granulation tissue type hemangioma),lobular capillary hemangioma2)~4)などと呼称される.pyogenic granulomaは皮膚に多くみられ,消化管では口唇,歯肉,舌など,次いで食道の報告が多い.その他,小腸の報告は散見されるが,大腸の報告はまれである.大腸のpyogenic granulomaは,血便や貧血を契機に発見されることが多い.
病理組織学的には,表層は毛細血管の増生と拡張が著明で炎症細胞浸潤を伴った肉芽腫性の病変であり,基底部は毛細血管内皮細胞の増殖が小葉状構造を示す(Fig. 1).病変の時期によっても病理組織像が異なり,幼若なうちは毛細血管の拡張と増生が著明で柔軟性に富むが,慢性化すると線維化組織に変化していくと言われている.また,pyogenic granulomaの表面の白苔は,炎症細胞浸潤を伴った肉芽組織の過剰増殖が生じた血管の炎症性の滲出物とされる5)~11).
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