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文献詳細

雑誌文献

胃と腸48巻8号

2013年07月発行

文献概要

今月の主題 非腫瘍性大腸ポリープのすべて グラフ

inflammatory myoglandular polyp

著者: 遠藤昌樹1 藤野靖久2 上杉憲幸3 菅井有3

所属機関: 1岩手医科大学内科学講座消化器肝臓内科分野 2岩手医科大学救急医学講座 3岩手医科大学病理学講座分子診断病理学分野

ページ範囲:P.1200 - P.1201

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概念・病態

 inflammatory myoglandular polypは1992年,Nakamuraら1)により提唱された非腫瘍性炎症性の大腸ポリープである.明確な原因は不明であるが,微小な過形成性病変に慢性の刺激が加わって病変が形成されると思われる.発症は若年者から高齢者まで報告があるが,平均年齢は50歳代で男性に多い.発見の契機は便潜血陽性と血便が半数を占め,出血が主な症状である.過去に癌化の報告はない.発生部位は直腸から左側結腸がほとんどであるが,回腸末端2)や上行結腸3)の報告もある.病理学的には,炎症性肉芽組織様の粘膜固有層内に囊胞状拡張を伴う過形成腺管と粘膜筋板由来の平滑筋の放射状増生がみられる.病理学的詳細は別稿,菅井論文を参照いただきたい.

参考文献

1)Nakamura S, Kino I, Akagi T. Inflammatory myoglandular polyps of the colon and rectum. A clinicopathological study of 32 pedunculated polyps, disclinct from other types of polyps. Am J Surg Pathol 16 : 772-779, 1992
2)Griffiths AP, Hopkinson JM, Dixon MF. Inflammatory myoglandular polyp causing ileo-ileal intussusception. Histopathology 23 : 596-598, 1993
3)Hirasaki S, Kanzaki H, Matsubara M, et al. Inflammatory myoglandular polyps : A case series of four patients and review of the literature. Gastroenterol Res Pract 2010 : 984082 epub, 2010
4)Kayhan B, Kucukel F, Akdogan E, et al. Inflammatory myoglandular polyp : A rare cause of hamatochezia. Turk J Gastroenterol 15 : 117-119, 2004
5)永田信二,隅岡正昭,佐藤理,他.Inflammatory myoglandular polypの5例.日消誌 95 : 145-150, 1998
6)藤野靖久,折居正之,中村眞一,他.大腸Inflammatory myoglandular polypの5例.Gastroenterol Endosc 43 : 1281-1286, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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