文献詳細
今月の主題 非腫瘍性大腸ポリープのすべて
グラフ
文献概要
概念・病態
IHP(inverted hyperplastic polyp)とは,粘膜下層側に発育進展するhyperplastic polypの特殊型として1985年にSobin1)により命名,報告された.病理学的特徴は鋸歯像構造の呈する過形成性ポリープの腺管が粘膜筋板を押し下げるように粘膜下層に向かって増殖している像や標本によっては粘膜下層に過形成性ポリープの腺管構造を認めるとされている.
IHPの報告例は少なく,本邦報告例も医学中央雑誌で検索した限りでは論文は数編あるのみで,発生頻度など,疫学的特徴を述べるのは困難である.Sobin1)は女性で右側結腸に多く,すべて無茎性または平坦であり,有茎性ポリープの形態ではなかったと報告した.富樫ら2)の3例報告では男性2例,女性1例であり,すべて右側結腸で無茎性であった.一方Rhondaら3)は男女差はなくS状結腸,直腸に多い,山際ら4)も左側結腸から直腸に多いとし,ほとんどが有茎性であったと報告した.
IHP(inverted hyperplastic polyp)とは,粘膜下層側に発育進展するhyperplastic polypの特殊型として1985年にSobin1)により命名,報告された.病理学的特徴は鋸歯像構造の呈する過形成性ポリープの腺管が粘膜筋板を押し下げるように粘膜下層に向かって増殖している像や標本によっては粘膜下層に過形成性ポリープの腺管構造を認めるとされている.
IHPの報告例は少なく,本邦報告例も医学中央雑誌で検索した限りでは論文は数編あるのみで,発生頻度など,疫学的特徴を述べるのは困難である.Sobin1)は女性で右側結腸に多く,すべて無茎性または平坦であり,有茎性ポリープの形態ではなかったと報告した.富樫ら2)の3例報告では男性2例,女性1例であり,すべて右側結腸で無茎性であった.一方Rhondaら3)は男女差はなくS状結腸,直腸に多い,山際ら4)も左側結腸から直腸に多いとし,ほとんどが有茎性であったと報告した.
参考文献
1)Sobin LH. Inverted hyperplastic polyps of the colon. Am J Surg Pathol 9 : 265-272, 1985
2)富樫一智,小西文雄,柏木宏,他.大腸のinverted hyperplastic polypの3例.胃と腸 34 : 935-940, 1999
3)Rhonda KY, Harvey G, Robert DO, et al. Hyperplastic polyp with epithelial misplacement(Inverted hyperplastic polyp): A clinicopathologic and immunohistochemical study of 19 case. Mod Pathol 14 : 869-876, 2001
4)山際裕史,寺田紀彦,大西徹哉.腸管のinverted hyperplastic polyp.外科治療 81 : 255-257, 1999
5)Torlakovic E, Skovlund E, Snover DC, et al. Morphologic reappraisal of serrated colorectal polyps. Am J Surg Pathol 27 : 65-81, 2003
6)松下弘雄,大谷響,西村淳,他.表面陥凹型を呈したsessile serrated adenoma/polypの1例.胃と腸 45 : 1992-1998, 2010
7)Jass JR. Serrated route to colorectal cancer : back street or super highway ? J Pathol 193 : 283-285, 2001
8)木村友昭,山野泰穂,菅井有,他.大腸鋸歯状病変の内視鏡診断─pit pattern所見を中心に.胃と腸 46 : 418-426, 2011
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