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Coffee Break
見る 8.鏡と写真機
著者: 長廻紘
所属機関:
ページ範囲:P.1341 - P.1341
文献購入ページに移動鏡はなんでもありのままに映す.鏡は鑑とも書き,模範・手本とすべきものを表す.『資治通鑑』や『吾妻鑑』のように歴史書の書名につかわれる.内視鏡,顕微鏡のように正しく見るための道具にも用いられる.鏡はカミに通じ,古来霊的なもの,嘘をつかないものと信じられている.しかし,鏡は決して真実をありのままに映すのではない.「見る」の場合と同じように,鏡を見るのは人だから見る人が見たいようにしか映してくれない.鏡の中で自己を客観視できる目を養わなければ鏡を見ても真実はわからない.
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