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文献詳細

雑誌文献

胃と腸49巻1号

2014年01月発行

今月の主題 ESD時代の早期胃癌深達度診断

主題

通常・色素内視鏡による早期胃癌深達度診断―大きさ・肉眼型別検討を中心に

著者: 丸山保彦1 島村隆浩2 甲田賢治3 景岡正信1 大畠昭彦1 志村輝幸1 宇於崎宏城1 金子雅直1 中村利夫2 白川元昭2 金丸仁2

所属機関: 1藤枝市立総合病院消化器内科 2藤枝市立総合病院外科 3藤枝市立総合病院病理診断科

ページ範囲:P.35 - P.46

文献概要

要旨 当院でESD,手術が行われた早期胃癌304例に対して,通常色素内視鏡による深達度診断を肉眼型別に大きさを中心に検討した.肉眼型ごとに深達度別の病変の大きさをみると,ESDを施行した0-IIc型病変でSM2癌がM~SM1癌より有意に大きく,ESD症例に手術症例も含めた0-IIc型,UL(-)でSM2癌が有意に大きかった(p<0.05).UL(-),0-IIc型病変では深達度を推測するのに大きさも参考になる可能性がある.絶対適応病変と判断しESDを施行した病変の4.3%に,適応拡大病変とした分化型腺癌の約6~7%に,それぞれSM2癌を認めた.ESD適応,適応拡大病変か否かを判断する際に注目するのは大きさ,肉眼型が基本であるが,それに加えてSM2癌に特徴的な所見にも注目した観察が必要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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