文献詳細
文献概要
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編集後記
著者: 岩男泰1
所属機関: 1慶應義塾大学病院予防医療センター
ページ範囲:P.1549 - P.1549
文献購入ページに移動 本号はUC関連腫瘍,いわゆるcolitic cancerの初期病変に焦点を当てた特集である.前回は6年前の2008年に,奇しくもその6年前の2002年にも特集が組まれている.タイトルの変遷をみると,37巻7号(2002年)は「炎症性腸疾患と腫瘍」と題し本邦におけるcolitic cancerの実態・サーベイランスの実情をまとめ,43巻9号(2008年)では「colitic cancer/dysplasiaの早期診断─病理組織診断の問題点も含めて」として早期診断の可能性を探ったものであった.colitic cancerも,いよいよ初期病変・粘膜内腫瘍の診断を議論する時代になった.初期病変を検討することで初めて組織発生,発育進展の解析が可能になり,より早期の診断につながる所見を見いだすことができる.本号の企画意図はそこにある.
序説において斉藤は,colitic cancerの実態とその特徴,診断に当たっての課題を整理した.病理側から,伴は外科手術標本を詳細に検討し,colitic cancerの発生母地として低異型度不規則腺管上皮および平坦な萎縮粘膜内に進展した高異型度腺管領域が重要であることを示した.罹患範囲内に発生した通常の腺腫様病変には,こういった所見を伴わないことも示している.
序説において斉藤は,colitic cancerの実態とその特徴,診断に当たっての課題を整理した.病理側から,伴は外科手術標本を詳細に検討し,colitic cancerの発生母地として低異型度不規則腺管上皮および平坦な萎縮粘膜内に進展した高異型度腺管領域が重要であることを示した.罹患範囲内に発生した通常の腺腫様病変には,こういった所見を伴わないことも示している.
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