文献詳細
今月の主題 胃癌ESD適応拡大病変の経過と予後
序説
文献概要
はじめに
かつて,胃癌を内視鏡的に治癒せしめる,ということは内視鏡医,消化器内科医の悲願の一つであった.現在では,先人たちの努力によって早期胃癌の半数近くが内視鏡治療されるようになっており,またその適応も拡大されつつある.
しかし一方で,胃癌に対する内視鏡治療の適応を拡大するうえで解決すべき重要な課題が大きく二つある.一つは技術的な問題である.病変を切除する技術がなければ適応を拡大することはできないのは自明であろう.もう一つは,リンパ節転移の問題である.内視鏡治療は胃の内側からのアプローチであり,胃病変を技術的に切除することができても,リンパ節転移があるならば癌を根治させることはできない.この二つの課題に対して現在まで多くの努力が払われ,一歩ずつ着実に進んできた.
かつて,胃癌を内視鏡的に治癒せしめる,ということは内視鏡医,消化器内科医の悲願の一つであった.現在では,先人たちの努力によって早期胃癌の半数近くが内視鏡治療されるようになっており,またその適応も拡大されつつある.
しかし一方で,胃癌に対する内視鏡治療の適応を拡大するうえで解決すべき重要な課題が大きく二つある.一つは技術的な問題である.病変を切除する技術がなければ適応を拡大することはできないのは自明であろう.もう一つは,リンパ節転移の問題である.内視鏡治療は胃の内側からのアプローチであり,胃病変を技術的に切除することができても,リンパ節転移があるならば癌を根治させることはできない.この二つの課題に対して現在まで多くの努力が払われ,一歩ずつ着実に進んできた.
参考文献
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