文献詳細
画像診断レクチャー
消化管疾患:診断と鑑別の進め方—胃隆起性病変の診断と鑑別─粘膜下腫瘍様病変について
著者: 中村真一1
所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター消化器内視鏡科
ページ範囲:P.1636 - P.1641
文献概要
粘膜下腫瘍(submucosal tumor ; SMT)は表面が周囲粘膜と同様の正常上皮で覆われ,なだらかな立ち上がりを呈し,時にbridging foldを伴うことが基本である.鑑別すべき胃のSMT様病変として,広義の消化管間葉系腫瘍(gastrointestinal stromal tumor ; GIST)をはじめ,悪性リンパ腫,迷入膵,カルチノイド,転移性腫瘍,癌などがあげられる(Table 1).上部消化管内視鏡検査でSMTを発見した場合,形状,占居部位,大きさ,色調,表面性状,陥凹や潰瘍の有無,硬さ,多発性の有無を考慮し,観察する必要がある.また,大きさが3cm以上,表面が不整や結節状を呈する,陥凹や潰瘍を有する,大きさが急速に増大しているといった場合には悪性を疑う指標となる1).
本稿では広義のGIST,SMT様胃癌,転移性腫瘍,迷入膵,その他について症例を提示し概説する.
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