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文献詳細

雑誌文献

胃と腸49巻11号

2014年10月発行

画像診断レクチャー

消化管疾患:診断と鑑別の進め方—胃隆起性病変の診断と鑑別─粘膜下腫瘍様病変について

著者: 中村真一1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター消化器内視鏡科

ページ範囲:P.1636 - P.1641

文献概要

はじめに─総論的事項

 粘膜下腫瘍(submucosal tumor ; SMT)は表面が周囲粘膜と同様の正常上皮で覆われ,なだらかな立ち上がりを呈し,時にbridging foldを伴うことが基本である.鑑別すべき胃のSMT様病変として,広義の消化管間葉系腫瘍(gastrointestinal stromal tumor ; GIST)をはじめ,悪性リンパ腫,迷入膵,カルチノイド,転移性腫瘍,癌などがあげられる(Table 1).上部消化管内視鏡検査でSMTを発見した場合,形状,占居部位,大きさ,色調,表面性状,陥凹や潰瘍の有無,硬さ,多発性の有無を考慮し,観察する必要がある.また,大きさが3cm以上,表面が不整や結節状を呈する,陥凹や潰瘍を有する,大きさが急速に増大しているといった場合には悪性を疑う指標となる1)

 本稿では広義のGIST,SMT様胃癌,転移性腫瘍,迷入膵,その他について症例を提示し概説する.

参考文献

1)小澤広,門馬久美子,吉田操,他.消化管粘膜下腫瘍の内視鏡診断─通常内視鏡所見からみた鑑別診断 : 上部消化管.胃と腸 39 : 446-456, 2004
2)渡二郎,斉藤裕輔,藤谷幹浩,他.粘膜下腫瘍様の形態を示した消化管癌の鑑別診断.胃と腸 39 : 529-538, 2004
3)結城豊彦,佐藤匡,石田一彦,他.粘膜下腫瘍様の形態を示した胃癌.胃と腸 38 : 1527-1536, 2003
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6)山田義也,榊信廣,門馬久美子,他.胃カポジ肉腫の1例.胃と腸 30 : 604-605, 1995
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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