文献詳細
今月の主題 大腸LSTの診断と意義—拡大内視鏡を中心に
序説
文献概要
はじめに
側方発育型腫瘍(laterally spreading tumor;LST)という名称は,現在では国際的に広く認知され,使用されている.しかし,これに至るまでの経緯は簡単ではなく,1990年代に秋田で開催されていた大腸IIc研究会などをはじめとして,LSTという名称は発育進展を加味したニックネームにすぎず,肉眼型分類には適さないとする不要論が上がったり,その名称そのものの存在が否定されたりする状況にあった.しかし,日本国内の議論を外に,国際学会では欧米よりLSTについての発表が数多く提示されるようになり,本邦でも学会・論文などを通してLSTの必要性が理解され,支持されるようになった.このような経緯から,2013年7月に出版された「大腸癌取扱い規約第8版」1)には,“肉眼型分類には含めない”という条件付きではあるが,初めてLSTという名称が掲載された.
側方発育型腫瘍(laterally spreading tumor;LST)という名称は,現在では国際的に広く認知され,使用されている.しかし,これに至るまでの経緯は簡単ではなく,1990年代に秋田で開催されていた大腸IIc研究会などをはじめとして,LSTという名称は発育進展を加味したニックネームにすぎず,肉眼型分類には適さないとする不要論が上がったり,その名称そのものの存在が否定されたりする状況にあった.しかし,日本国内の議論を外に,国際学会では欧米よりLSTについての発表が数多く提示されるようになり,本邦でも学会・論文などを通してLSTの必要性が理解され,支持されるようになった.このような経緯から,2013年7月に出版された「大腸癌取扱い規約第8版」1)には,“肉眼型分類には含めない”という条件付きではあるが,初めてLSTという名称が掲載された.
参考文献
1)大腸癌研究会(編).大腸癌取扱い規約,8版.金原出版,2013
2)Stout AP. Superficial spreading type of carcinoma of the stomach. Arch of Surg 44 : 8651-8657, 1942
3)工藤進英.早期大腸癌—平坦・陥凹型へのアプローチ.医学書院,pp 178-179,1993
4)佐竹儀治,藤田力也,川瀬定夫,他.花壇様隆起を示した大腸腺管腺腫の1例.胃と腸 14 : 1557-1561, 1979
5)石川勉,牛尾恭輔,笹川道三,他.顆粒集簇を主体とした大腸隆起性病変の4症例—X線像による経過を中心に.胃と腸 21 : 1373-1380, 1986
6)工藤進英,下田良,樫田博史,他.いわゆる側方発育型腫瘍の定義の歴史.胃と腸 40 : 1721-1725, 2005
7)尾田恭.表面型大腸腫瘍にみられる“偽足様所見”の診断学的,腫瘍生物学的検討.Gastroenterol Endosc 38 : 2815-2825, 1996
8)角川康夫,斉藤豊,松本美野里,他.大腸内視鏡による観察精度の評価とは(ADR).消内視鏡 26 : 898-899, 2014
掲載誌情報