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文献詳細

雑誌文献

胃と腸49巻12号

2014年11月発行

今月の主題 大腸LSTの診断と意義—拡大内視鏡を中心に

主題

LSTのpit pattern診断

著者: 前山泰彦12 鶴田修12 野田哲裕12 長田修一郎12 吉田光12 向笠道太12 住江博明12 河野弘志3 光山慶一12 鳥村拓司12

所属機関: 1久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門 2久留米大学医学部消化器病センター 3聖マリア病院消化器内科

ページ範囲:P.1685 - P.1692

文献概要

要旨 LSTをLST-G-H,LST-G-MとLST-NG-FE,LST-NG-PDに分類し,LSTの肉眼型亜分類とpit patternの関係,pit patternと病理組織の関係,pit pattern診断の質診断能および深達度診断能を検討した.肉眼型とpit patternの関係では顆粒型,非顆粒型ともにIII/IV型が主体を成していた.VN型pit patternを示した病変は全例pT1b癌であった.しかし,VI型pit patternを示した病変では粘膜内癌を中心に腺腫からSM癌まで幅広く存在した.pit patternによる質診断能は異型度を高く読む傾向がみられ,深達度診断能は深達度を深く読む傾向がみられた.

参考文献

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3)工藤進英.側方発育型腫瘍(laterally spreading tumor ; LST)について.早期大腸癌 2 : 477-481, 1998
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8)山野泰穂,松下弘雄,黒田浩平,他.いわゆる側方発育型大腸腫瘍における治療法選択のための質的診断—内視鏡診断(拡大内視鏡を中心に).胃と腸 40 : 1759-1769, 2005
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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