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文献詳細

雑誌文献

胃と腸49巻12号

2014年11月発行

文献概要

今月の主題 大腸LSTの診断と意義—拡大内視鏡を中心に 座談会

「LST細分類の意義と課題」

著者: 田中信治1 斎藤豊2 河野弘志3 八尾隆史4 菅井有5 山野泰穂6

所属機関: 1広島大学大学院医歯薬保健学研究科内視鏡医学 2国立がん研究センター中央病院内視鏡科 3聖マリア病院消化器内科 4順天堂大学医学部人体病理病態学講座 5岩手医科大学医学部病理学講座分子診断病理学分野 6秋田赤十字病院消化器病センター

ページ範囲:P.1765 - P.1782

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LSTのイメージを一致させる

 田中 昨年(2013)の夏に,側方発育型大腸腫瘍(laterally spreading tumor ; LST)の定義が「大腸癌取扱い規約第8版」に掲載されました.しかしながら,いまだに各施設で診断基準やイメージが若干異なり,同じ用語を使っていても,違う病変をイメージするといったズレが生じています.今回の座談会では,まずLSTの亜分類の具体的な診断基準とイメージをこの参加者のなかで統一し,その一致を前提に,LSTの診断,細分類とその意義などについて,拡大観察を中心に議論していきたいと思います.また,組織発生や発育進展,自然史,悪性度,分子生物学的特徴に加えて,今話題のSSA/P(sessile serrated adenoma/polyp)との関連も視野に入れて議論できればと思います.まずLSTの定義をここに提示しました(Fig. 1).

 LSTにはgranular(以下,G)とnon-granular(以下,NG)があり,それぞれ亜分類が顆粒均一型homogenous typeと結節混在型nodular mixed type,それと扁平隆起型flat elevatedと偽陷凹型pseudo-depressed typeと定義されているのはご存じのとおりだと思います.LSTは食道や胃の表層拡大型と同様のニックネーミングで定義されたわけですが,この亜分類のイメージが,どのくらいみなさんの間で一致しているのか,確認したいと思います(Fig. 2).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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