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文献詳細

雑誌文献

胃と腸49巻13号

2014年12月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

食道表在癌に類似した拡大内視鏡像を呈した黒色調の肛門管扁平上皮癌の1例

著者: 金坂卓1 井口恵里子1 津村剛彦1 関川昭1 若狭朋子2 新宅雅幸2 江頭由太郎3 圓尾隆典1

所属機関: 1大阪赤十字病院消化器内科 2大阪赤十字病院病理診断科 3大阪医科大学病理学教室

ページ範囲:P.1899 - P.1904

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要旨 患者は60歳代後半,女性.スクリーニングの大腸内視鏡検査を施行したところ,直腸肛門部に1/3周性の不整形の扁平隆起性病変を認めた.病変は口側では褪色調,肛門側では灰白色〜黒色を呈していた.拡大観察ではloop状血管と非loop状血管が混在し,さらに小型の無血管野を認めた.粘膜内病変と考え,ESDにて一括切除した.病理診断は,cancer of the anal canal,Type 0-IIa,35×10mm,squamous cell carcinoma,pM,ly0,v0,HM0,VM0であった.腫瘍は粘膜内に発育し,内部に黒色顆粒の沈着が認められた.

参考文献

1)厚生労働省.人口動態統計,2003
2)稲次直樹.日本における肛門管悪性腫瘍性病変の現況.日本大腸肛門病会誌 61 : 967-970, 2008
3)神崎雅樹,小西文雄,河村裕,他.癌以外の肛門部の悪性腫瘍─メラノーマ,Paget病,Bowen病.胃と腸 38 : 1297-1302, 2003
4)伊藤貴洋,近藤昭信,田中穣,他.粘膜内に限局した直腸肛門部悪性黒色腫の1例.日消誌 109 : 435-441, 2012
5)高原政宏,今川敦,河野吉泰,他.術後9年目の局所再発に対してNBI観察がなされた直腸悪性黒色腫の1例.Gastroenterol Endosc 54 : 3172-3177, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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