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消化管組織病理入門講座・8
【大腸】潰瘍性大腸炎と癌―典型的な組織像(活動期,寛解期,dysplasiaと癌)
著者: 西上隆之1 沖村明1 西井真2 樋田信幸3 三富弘之4 藤盛孝博4
所属機関: 1製鉄記念広畑病院病理科 2兵庫医科大学ささやま医療センター総合診療・家庭医療科 3兵庫医科大学内科学下部消化管科 4獨協医科大学病理学(人体分子)
ページ範囲:P.248 - P.254
文献購入ページに移動UCの診断にはまず,持続性または反復性にみられる粘血・血便の臨床症状が大切である.また,内視鏡および注腸X線検査においては,直腸下部から連続性・びまん性の障害が重要な所見である.さらに,生検組織学的所見としては,活動期では粘膜全層にびまん性炎症細胞浸潤,陰窩膿瘍,高度な杯細胞の減少が認められる.寛解期では腺管の配列異常(蛇行,分岐),萎縮が残存する.これらの病理学的所見はいずれも非特異的なので,内視鏡所見と生検部位の把握は不可欠であり,総合的な判断が最も重要である.また,アメーバ赤痢*2をはじめとする感染性腸炎やCrohn病*3など除外診断も必要である.
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