icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸49巻3号

2014年03月発行

文献概要

今月の主題 消化管アミロイドーシスを見直す 主題症例

抗IL-6受容体抗体が奏効した消化管AAアミロイドーシスの1例

著者: 鎌野俊彰1 平田一郎1 大宮直木1 中野尚子1 長坂光夫1 中川義仁1 柴田知行1 黒田誠2

所属機関: 1藤田保健衛生大学消化管内科 2藤田保健衛生大学病理診断科

ページ範囲:P.385 - P.393

文献購入ページに移動
要旨 患者は62歳,女性.20歳時に関節リウマチ(RA)を発症しており,最近5年間は無治療で放置していた.慢性下痢,食欲不振,体重減少を主訴に来院した.消化管内視鏡検査で上行結腸から直腸に連続性,びまん性に浮腫状,発赤調,微細顆粒状を呈する粘膜と厚い白苔を有する多発性・大小不同の不整型潰瘍が認められた.また,十二指腸には微細顆粒状の粘膜と多発するびらんが認められた.生検にてアミロイド蛋白の沈着を認め,RAに合併したAAアミロイドーシスと診断した.抗IL-6受容体抗体(トシリズマブ)の投与により,臨床症状とともに,内視鏡・病理所見の改善が認められた.トシリズマブはRAに合併したAAアミロイドーシスの有効な治療法であると考えられた.

参考文献

1)吉崎和幸,中沢宋健,西川哲平.AAアミロイドーシスの治療.血液フロンティア 19 : 1389-1396, 2009
2)黒田毅,中野正明,下條文武.アミロイドーシス.Mod Physician 25 : 723-726, 2005
3)多田修治,神尾多喜浩.腸アミロイドーシス.胃と腸 47 : 1168-1171, 2012
4)岩室雅也,高橋秀明,窪田淳一,他.全身性アミロイドーシスの4例にみられた消化管粘膜の変化.医療 61 : 539-545, 2007
5)田村裕昭,長谷川公範.関節リウマチに続発するAAアミロイドーシスの現況と課題.日臨免疫会誌 32 : 35-42, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら