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文献概要
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編集後記
著者: 二村聡1
所属機関: 1福岡大学医学部病理学講座
ページ範囲:P.557 - P.557
文献購入ページに移動 今回,虫垂疾患の特集を鶴田修,松田圭二,江頭由太郎の3氏と筆者の4名で企画しました.鶴田氏による序説に明記されているように,25巻10号(1990年)以来の二度目の特集です.実地診療に直ちに役立つ内容にしていただきたい旨を各執筆者にお願いしました.原著形式4編,総説形式6編,主題症例1編から成る本号を読者諸兄諸姉にお届けします.興味のあるテーマからご自由にお読みください.皆さまからの御批正を乞う次第です.
虫垂疾患の診療にはまず,疾病統計の把握が肝要です.急性虫垂炎がダントツで,それ以外の疾患の発生頻度が極めて低いことは誰もが予測できますが,具体的な数値はどれくらいでしょうか.そこで小澤氏らによる虫垂癌の臨床統計に注目してください.大腸癌研究会登録データから0.2%,日本病理学会登録データから0.08%という罹患率が算出され,あらためて虫垂癌が稀少であること,加えて組織型は分化型腺癌が最多で,これに粘液癌や印環細胞癌,低分化腺癌,カルチノイド腫瘍が続くことが判明し,カルチノイド腫瘍の占める割合が高い米国との相違点も明らかになりました.
虫垂疾患の診療にはまず,疾病統計の把握が肝要です.急性虫垂炎がダントツで,それ以外の疾患の発生頻度が極めて低いことは誰もが予測できますが,具体的な数値はどれくらいでしょうか.そこで小澤氏らによる虫垂癌の臨床統計に注目してください.大腸癌研究会登録データから0.2%,日本病理学会登録データから0.08%という罹患率が算出され,あらためて虫垂癌が稀少であること,加えて組織型は分化型腺癌が最多で,これに粘液癌や印環細胞癌,低分化腺癌,カルチノイド腫瘍が続くことが判明し,カルチノイド腫瘍の占める割合が高い米国との相違点も明らかになりました.
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