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文献詳細

雑誌文献

胃と腸49巻7号

2014年06月発行

文献概要

今月の主題 大腸T1(SM)癌に対する内視鏡治療の適応拡大 主題

大腸T1(SM)深部浸潤癌に対する内視鏡治療適応拡大における病理学的問題点―特に非連続脈管侵襲について

著者: 秋元直彦123 三富弘之1 岡本陽祐4 小林俊介14 岡本健太郎15 市川一仁1 冨田茂樹1 上野秀樹6 海上雅光7 内藤善哉3 坂本長逸2 藤盛孝博1

所属機関: 1獨協医科大学病理学(人体・分子) 2日本医科大学消化器内科学 3日本医科大学統御機構診断病理学 4東邦大学医療センター大森病院消化器内科 5獨協医科大学第一外科 6防衛医科大学校外科 7わたり病院病理診断科

ページ範囲:P.973 - P.977

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要旨 内視鏡技術の進歩に伴い,大腸早期癌のうち粘膜下層深達度が1,000μm以深のT1b(SM2)癌について内視鏡治療の適応拡大が考慮されることとなった.しかし,T1b(SM2)癌には内視鏡切除材料の病理診断では評価できない,癌の直接浸潤先進部とは連続せず,粘膜下層より深い層に脈管侵襲が存在する,いわゆる「非連続脈管侵襲」がある.その一部は肝・肺転移を来し,予後不良である.このような点を踏まえ,大腸癌取扱い規約第8版では癌の脈管侵襲陽性部を壁深達度として取り扱うように改訂された.T1b(SM2)癌に対する内視鏡治療の適応拡大に際しては,非連続脈管侵襲なども考慮した慎重な対応が望まれる.

参考文献

1)Kitajima K, Fujimori T, Fujii S, et al. Correlations between lymph node metastasis and depth of submucosal invasion in submucosal invasive colorectal carcinoma : a Japanese collaborative study. J Gastroenterol 39 : 534-543, 2004
2)Okamoto Y, Fujimori T, Ohkura Y, et al. Histological assessment of intra-and inter-institutional reliabilities in detection of desmoplastic reaction in biopsy specimens of early colorectal carcinomas. Pathol Int 63 : 539-545, 2013
3)Ohno K, Fujimori T, Okamoto Y, et al. Diagnosis of desmoplastic reaction by immunohistochemical analysis, in biopsy specimens of early colorectal carcinomas, is efficacious in estimating the depth of invasion. Int J Mol Sci 14 : 13129-13136, 2013
4)大腸癌研究会(編).大腸癌治療ガイドライン医師用2014年版.金原出版,2014
5)岡本陽祐,小林俊介,五十嵐良典,他.Stage IV大腸癌─転移のメカニズムと治療方針をめぐって.杉原健一,藤盛孝博,五十嵐正広,他(編).大腸疾患NOW 2014.日本メディカルセンター,pp 101-107,2014
6)大腸癌研究会(編).大腸癌取扱い規約,8版.金原出版,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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