icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸49巻8号

2014年07月発行

文献概要

今月の主題 表面型表層拡大型食道癌の診断と治療戦略 主題

表面型表層拡大型食道癌の深達度診断―内視鏡の立場から

著者: 竹内学1 橋本哲2 小林正明2 渡辺玄3 水野研一2 佐藤祐一1 味岡洋一3 青栁豊1

所属機関: 1新潟大学医歯学総合病院消化器内科 2新潟大学医歯学総合病院光学医療診療部 3新潟大学大学院医歯学総合研究科分子診断病理学分野

ページ範囲:P.1157 - P.1163

文献購入ページに移動
要旨 表面型表層拡大型食道癌63病変に対し,通常・色素内視鏡および日本食道学会拡大内視鏡分類を用いたNBI併用拡大内視鏡観察による深達度正診率を検討した.正診率は通常・色素内視鏡観察では66.7%(42/63),NBI併用拡大内視鏡観察では76.2%(48/63)であり,約10%の上乗せ効果を認めた.特に,T1a-MM/T1b-SM1癌の正診率は12%から60%に飛躍的に向上した.しかし,NBI併用拡大観察による誤診例の多くは表層をT1a-EP/LPM癌が被覆する病変であり,関心領域同定後に通常・色素内視鏡観察で病変の厚みや硬さを再度確認し,総合的に深達度診断を行う必要があると考えた.

参考文献

1)Inoue H. Magnification endoscopy in the esophagus and stomach. Dig Endosc 13 : S40-S41, 2001
2)Arima M, Tada M, Arima H. Evaluation of microvascular patterns of superficial esophageal cancers by magnifying endoscopy. Esophagus 2 : 191-197, 2005
3)Oyama T, Ishihara R, Takeuchi M, et al. Usefulness of Japan Esophageal Society Classification Of Magnified Endoscopy for the Diagnosis of Superficial Esophageal Squamous Cell carcinoma. Gastrointest Endosc 76 : AB441, 2012
4)食道表在癌の拡大内視鏡分類.日本食道学会,2012 http://esophagus.jp/download/endoscope_classification.
5)小山恒男,門馬久美子,幕内博康,他.食道表在癌の拡大内視鏡分類(案).第65回日本食道学会学術集会抄録集 : 143, 2011
6)小山恒男,宮田佳典,堀田金一,他.食道表在癌の深達度診断を誤った要因─内視鏡の立場から.胃と腸 39 : 883-887, 2004
7)門馬久美子,吉田操,小澤広,他.食道表在癌の深達度診断を誤った要因─内視鏡の立場から.胃と腸 39 : 889-900, 2004
8)日本食道学会(編).臨床・病理─食道癌取扱い規約,10版補訂版.金原出版,2008
9)幕内博康,町村貴郎,島田英雄,他.表層拡大型食道表在癌の内視鏡診断─診断のコツと発育過程への考察.胃と腸 30 : 1021-1032, 1995
10)竹内学,橋本哲,小林正明,他.日本食道学会拡大内視鏡分類と深達度─深達度診断におけるB2血管の意義.胃と腸 49 : 164-172, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?