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文献詳細

雑誌文献

胃と腸49巻8号

2014年07月発行

今月の主題 表面型表層拡大型食道癌の診断と治療戦略

主題

表面型表層拡大型食道癌の治療成績―外科治療の立場から

著者: 島田英雄1 山本壮一郎2 千野修3 西隆之1 葉梨智子3 名久井実4 数野暁人4 新田美穂1 宇田周司2 熊木伸枝5 佐藤慎吉6 小澤壯治4 幕内博康7

所属機関: 1東海大学医学部付属大磯病院外科 2東海大学医学部付属八王子病院消化器外科 3東海大学医学部付属東京病院外科 4東海大学医学部消化器外科 5東海大学医学部病理診断学 6東海大学大磯病院病理診断科 7東海大学医学部外科

ページ範囲:P.1191 - P.1205

文献概要

要旨 表層拡大型食道癌66例に対する外科切除例 : 43例と内視鏡的切除(endoscopic resection:ER)例:23例について臨床病理学検討を行った.内視鏡検査,食道X線造影所見による壁深達度診断の正診率は37.0%であり,表在型での71.0%と比較し極めて低率であった.リンパ節転移に関しては,T1a-MM/T1b-SM1の18例中5例(27.7%)に認め,表在型より多い傾向が認められ,危険因子は脈管侵襲陽性例であった.表層拡大型癌の治療方針に関しては,術前診断精度が低いため,T1a-EP/LPMと診断される症例では,まずERの適応とし詳細な病理組織診断を行う.5cmよりはるかに長い全周性病変でSM浸潤の可能性が高い病巣では手術も考慮する.リンパ節転移が疑われる症例は外科的根治術の適応と考える.

参考文献

1)日本食道学会(編).食道癌取扱い規約,10版補訂版.金原出版,2008
2)日本食道学会(編).食道癌診断・治療ガイドライン,2012年4月版.金原出版,2012
3)矢野友規,小田柿智之,森本浩之,他.食道ESD up-to-date.日消病誌 110 : 1731-1737, 2013
4)小山恒男.日本食道学会拡大内視鏡分類.胃と腸 49 : 148-152, 2014
5)島田英雄,幕内博康,小澤壯治,他.食道表在癌の深達度診断─通常観察の立場から.胃と腸 45 : 1467-1481, 2010
6)幕内博康,島田英雄,千野修,他.m3・sm1食道癌に対するEMRの可能性.胃と腸 33 : 993-1002, 1998
7)幕内博康,町村貴郎,島田英雄,他.表層拡大型食道癌の内視鏡診断.胃と腸 30 : 1021-1032, 1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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