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文献詳細

雑誌文献

胃と腸49巻9号

2014年08月発行

文献概要

今月の主題 小腸潰瘍の鑑別診断 主題

小腸潰瘍の鑑別診断―内視鏡診断を中心に

著者: 矢野智則1 砂田圭二郎1 佐藤博之1 林芳和1 三浦義正1 新畑博英1 坂本博次1 井野裕治1 竹澤敬人1 永山学1 大澤博之1 山本博徳1

所属機関: 1自治医科大学内科学講座消化器内科学部門

ページ範囲:P.1283 - P.1291

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要旨 バルーン内視鏡の登場で,小腸潰瘍の詳細観察や組織生検も可能になった.小腸潰瘍には打ち抜き潰瘍や縦走潰瘍,輪状潰瘍,地図状潰瘍など,さまざまな形態があり,病変分布も多様である.潰瘍の発生部位について,腸間膜付着側との関係が重要な情報となる場合がある.しかし,特徴的な内視鏡検査所見を伴う一部の疾患を除いて,小腸潰瘍の原因を内視鏡検査所見のみから診断することは困難である.背景疾患や服薬歴を含む病歴,血液検査,各種画像検査,病理組織学的検査,細菌学的検査,ステロイド薬治療や栄養療法に対する治療反応性も含め,総合的に判断する必要がある.本稿では,小腸潰瘍の内視鏡的診断について,多数の画像を示しながら解説する.

参考文献

1)中川義仁,平田一郎.アフタ,アフタ様潰瘍(aphtha,aphthoid ulcer).胃と腸 47 : 720-721, 2012
2)Sunada K, Yamamoto H, Hayashi Y, et al. Clinical importance of the location of lesions with regard to mesenteric or antimesenteric side of the small intestine. Gastrointest Endosc 66 : S34-38, 2007
3)斉藤裕輔,垂石正樹,野村昌史,他.Crohn病診断のための主要所見と副所見─アフタ,不整形潰瘍.胃と腸 31 : 513-522, 1996
4)Kamata Y, Iwamoto M, Nara H, et al. A case of rheumatoid arthritis with protein losing enteropathy induced by multiple diaphragmatic strictures of the small intestine : successful treatment by bougieing under double-balloon enteroscopy. Gut 55 : 1372, 2006
5)阪上学,野田八嗣,越野慶隆,他.下血をみたSchönlein-Henoch紫斑病の1例における消化管粘膜病変の内視鏡的検討─本邦報告例32例の集計を含む.Gastroenterological Endoscopy 30 : 1250-1254, 1988
6)山本博徳,砂田圭二郎,矢野智則(編).ダブルバルーン小腸内視鏡アトラス.医学書院,pp 86-87,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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