icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸49巻9号

2014年08月発行

文献概要

今月の主題 小腸潰瘍の鑑別診断 主題症例

カプセル内視鏡,バルーン内視鏡で小腸炎を観察しえた好酸球性胃腸炎の1例

著者: 細江直樹1 久松理一2 長沼誠1 柏木和弘1 下田将之3 岩男泰4 緒方晴彦1 金井隆典2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部内視鏡センター 2慶應義塾大学医学部消化器内科 3慶應義塾大学医学部病理学教室 4慶應義塾大学医学部予防医療センター

ページ範囲:P.1333 - P.1337

文献購入ページに移動
要旨 患者は30歳代,男性.主訴,腹痛.25歳時に,腹痛を認めたが原因不明であった.渡航先で腹痛を自覚し,現地の病院を受診した.抗菌薬の投与を受けたが症状は改善せず,紹介され受診し,入院となる.血液検査で好酸球増多,IgE高値,CTで小腸の全周性肥厚,浮腫,腹水を認めた.経口から行ったシングルバルーン小腸内視鏡検査では,十二指腸,空腸に,浮腫,発赤,びらんが認められ,病理組織学的所見は,好酸球の著明な浸潤が認められた.プレドニゾロン投与を開始し,症状は改善,治療効果判定のため行ったカプセル内視鏡検査では,上部空腸に軽度の発赤,浮腫を認めた.その後,プレドニゾロンを漸減中止としたが,症状の再発は認められなかった.

参考文献

1)Kinoshita Y, Furuta K, Ishimaura N, et al. Clinical characteristics of japanese patients with eosinophilic esophagitis and eosinophilic gastroenteritis. J Gastroenterol 48 : 333-339, 2013
2)Okuda K, Daimon Y, Iwase T, et al. Novel findings of capsule endoscopy and double-balloon enteroscopy in a case of eosinophilic gastroenteritis. Clin J Gastroenterol 6 : 16-19, 2013
3)木下芳一,大嶋直樹,石村典久,他.好酸球性消化管疾患の診断基準.胃と腸 48 : 1853-1858, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?