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文献概要
今月の主題 胃癌の経過 興味ある経過を示した症例
“いわゆるビラン性胃炎”の経過観察中に発見したⅡa+Ⅱc型早期胃癌の1例
著者: 為近義夫1 岡部治弥1 広門一孝1 吉田隆亮1 八尾恒良1 増田信夫1 堀之内幸士1 古賀安彦1 三井久三1 谷啓輔1 上月武志1 崎村正弘1 藤原侃1 本多武彦1 岡田安浩1 坪井秀雄1 新関寛1 坂本英隆1 富岡武1 渡辺英伸2
所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2九州大学癌研究所病理部
ページ範囲:P.75 - P.80
文献購入ページに移動近年の胃X線,内視鏡検査の進歩は極めて小さい早期胃癌の発見を可能にすると共に良性疾患としての“いわゆるビラン性胃炎6)”の診断をも容易にし,筆者らも日常しばしばその診断を下している.しかし“いわゆるビラン性胃炎”は過酸,過分泌,過緊張,粘膜過敏性などの胃X線,内視鏡検査にとって不利な条件を備えていることが多く,まれとはされているがこれに微細悪性病変が併存する揚合にはその診断はかなり困難である.
筆者らは“いわゆるビラン性胃炎”の経過観察中初診より5年後に幽門前庭部のⅡa+Ⅱc型早期胃癌を発見したので,ここに報告し若干の考察を加えてみたい.
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