文献詳細
今月の主題 胃癌の経過
症例
Ⅱc病変と隆起性病変(ATP)がそれぞれ独立して併存した1例
著者: 根本達久1 岡野功1 高山欽也1 鈴木徳郎1 村上富郎1 霜島正雄1 松橋博1 石渡弘一1 鵜川四郎1 福永ひろ子1 西田一彦1 永井清明1 大林輝明1 西満正2 高木国夫2 中村恭一3
所属機関: 1西湘消化器研究会 2癌研究会付属病院外科 3癌研究会付属病院病理
ページ範囲:P.81 - P.86
文献概要
患者:45歳 男
既往歴:家族歴に特記すべき所見なし,
現病歴:主訴・空腹時心窩部痛.起始および経過・昭和42年11月1日初診.約1週間前より空腹時心窩部痛を訴え来院.第1回外来,レ線検査および胃カメラ検査で,胃角部を中心とするⅡc様病変および幽門部の隆起性病変(Ⅱa)の診断をつけたが,患者は制酸剤および遮断剤の投与で心窩部痛が消失してしまったため,精密検査に応ぜず放置して来院しなかった.第1回検査から4カ月後,再び空腹時心窩部痛を訴え来院したので精検(レ線,内視鏡,生検)を行ない,初診から7カ月後の昭和43年5月29日,胃角部中心(MA)のⅡcと幽門部後壁の隆起性病変(ATP,Ⅱaの疑い)の診断のもとに胃切除術を施行した.
掲載誌情報