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今月の主題 胃を除く消化器の早期癌(1) 症例
術前に診断した胃カルチノイドの1例
著者: 八尾恒良12 渡辺英伸3 岡田安浩1 佐田増美4
所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2現在九大癌研病理 3九州大学医学部癌研病理 4福岡市佐田外科病院
ページ範囲:P.1247 - P.1254
文献購入ページに移動カルチノイドは,セロトニンを分泌する内分泌腫瘍として知られ,主に消化管に発生し,稀ではあるが,気管支,膵,上顎洞,卵巣,胆嚢にも発生する.
胃のカルチノイドは,稀な疾患ではあるが,Askanazy(1923)1)の剖検による偶然の発見以来,1961年までに84例を数えるという2).
筆者らは,昨年も,X線,内視鏡にて胃粘膜下腫瘍として胃切除を行ない,病理組織学的に胃カルチノイドと診断した症例を報告した3).
その後,術前X線および内視鏡所見より,胃カルチノイドを疑い,胃生検所見と合せて胃カルチノイドと診断した1例を再度経験したのでここに報告し,その診断面について若干の考察を加えてみたい.
なお,本症例は胃原発カルチノイドの本邦第11例目にあたる症例報告と思われる.
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