icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸5巻10号

1970年09月発行

文献概要

今月の主題 胃を除く消化器の早期癌(1) 症例

術前に診断した胃カルチノイドの1例

著者: 八尾恒良12 渡辺英伸3 岡田安浩1 佐田増美4

所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2現在九大癌研病理 3九州大学医学部癌研病理 4福岡市佐田外科病院

ページ範囲:P.1247 - P.1254

文献購入ページに移動
はじめに

 カルチノイドは,セロトニンを分泌する内分泌腫瘍として知られ,主に消化管に発生し,稀ではあるが,気管支,膵,上顎洞,卵巣,胆嚢にも発生する.

 胃のカルチノイドは,稀な疾患ではあるが,Askanazy(1923)1)の剖検による偶然の発見以来,1961年までに84例を数えるという2)

 筆者らは,昨年も,X線,内視鏡にて胃粘膜下腫瘍として胃切除を行ない,病理組織学的に胃カルチノイドと診断した症例を報告した3)

 その後,術前X線および内視鏡所見より,胃カルチノイドを疑い,胃生検所見と合せて胃カルチノイドと診断した1例を再度経験したのでここに報告し,その診断面について若干の考察を加えてみたい.

 なお,本症例は胃原発カルチノイドの本邦第11例目にあたる症例報告と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?