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技術解説
食道の二重造影法
著者: 小林誠一郎1 山田明義1 野本高志1 島倉康守1
所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター
ページ範囲:P.1279 - P.1286
文献購入ページに移動食道のX線像で,造影剤と空気との織り成す二重造影像の美しさは,X線診断に携わる人なら誰もが以前より気付いていることと思うし,また古くからこのような像を撮影するべく,心掛けている人たちも多いと思われる.筆者らは食道外科に関連して,主として手術適応,手術術式決定の目的で,癌浸潤の上下界を明確にするという意味で,好んで二重造影を用いていたが,この4~5年来,食道においても早期癌が脚光を浴びるようになり,食道の小病変の診断,特にX線検査という,いわば診断の第一歩においてこれを拾いあげようとする意図からスクリーニングの段階で積極的に食道の二重造影を得るように心掛けている.
筆者らの用いている方法は,①造影剤嚥下時に一緒にのみ込まれた空気が造影剤の通過後食道壁をおし拡げながら降下するところ,すなわち,自然にできる二重造影像をタイミング良く狙撃撮影する.②積極的に経鼻的に,チューブを食道内に挿入し,送気しながら造影する.③チューブまたは発泡剤を用いて胃を膨満せしめ,胃内空気の食道内逆流を利用する方法などであるが,以下,これらの方法につき,症例を供覧しつつ述べてみたい.
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