胃と腸5巻11号

1970年10月発行

今月の主題 大腸の早期癌―胃を除く消化器の早期癌(2) 症例

広範なⅡc病変を伴ったBorrmann Ⅱ型胃癌の1例

著者： 吉本信次郎¹ 宮地知男¹ 向来義彦¹ 神吉英雄¹ 木村政美¹ 中島保治¹ 島谷博允¹ 絵野幸二² 松尾導昌² 小川敏雄³ 志田力³ 麻田栄³

所属機関： ¹神戸市・宮地病院 ²神戸大学医学部放射線科 ³神戸大学医学部麻田外科

ページ範囲：P.1393 - P.1397

　初回のレ線診断で良性潰瘍と診断したが，内視鏡検査では広範な広がりのⅡc病変内に，BorrmannⅡ型を合併する進行癌と診断し，術後これを確認した症例を報告する．本例は胃疾患診断における綜合診断の必要性と，多方向よりのレ線撮影の有用性を示すものである．