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文献詳細

雑誌文献

胃と腸5巻12号

1970年11月発行

一頁講座

消化管の細胞診―(その1)十二指腸液細胞診について

著者: 信田重光1

所属機関: 1順天堂大学医学部外科

ページ範囲:P.1504 - P.1504

文献概要

 十二指腸液中の癌細胞を検出することによって診断できる臓器の癌は,十二指腸癌,十二指腸乳頭部癌,膵臓癌,胆道癌,胆嚢癌,および肝癌などがあげられる.しかし,これらの癌はいずれも現在の段階では早期診断の可能性が極めて低いもので,特に細胞診によってその可能性を見出だそうとする考え方が強くなってきている.今後努力を払うべき分野のひとつであろう.

 近年,Secretin試験,Pancreozymin-Secretin試験などの膵機能検査法が進歩して,この方法によって採取された十二指腸液を用いて細胞診が行なわれている.細胞採取の最も大事なコツは,Diamond tubeまたはDreiling tubeを通じて流出してくる十二指腸液を,氷をつめた箱の中でひやしながら試験管に集め,それぞれの試験管内の液を採取後直ちに遠沈することである.時間をかけると膵液,胆汁中に含まれる酵素により細胞がすぐ崩壊,変性してしまう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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