文献詳細
今月の主題 症例・研究 特集
症例
十二指腸結核の1例
著者: 長野一雄1 水上美喜雄1 中西孝美1 竹内恒雄2 山英昭3 田村堅吾4
所属機関: 1社会福祉法人共愛会病院内科 2社会福祉法人共愛会病院外科 3北海道大学医学部白石内科 4北海道大学医学部杉江内科
ページ範囲:P.1533 - P.1536
文献概要
患者:○村○ク 52歳 家婦
家族歴:特記すべきことなし.
既往歴:36歳時,虫垂切除.38歳時,腸癒着障害のため剥離術を受けた.
主訴:上腹部の膨満感
現病歴:昭和40年春頃から誘因なく食後.上腹部に膨満感があり,次第に食欲が減退してきた.膨満感は一進一退であったが,著しくなると必ず右側の背部に張ったような疼痛を伴い,苦しさの余り自ら嘔吐すると,吐物に少量であるが3日前の食物が混っていて,嘔吐後急速に諸症状は軽快した.また嘈囃,曖気,悪心,上腹部のモタレ感が常時あったが,絶食を2日位続けるとこれらの愁訴は全く消失した.便通1日1行.体重減少はなかった.昭和43年11月14日初診.
掲載誌情報