文献詳細
今月の主題 症例・研究 特集
症例
上行結腸癌をもったPeutz-Jeghers症候群の1例とその家系
著者: 山口保1 花田雅寧1 三川清1 仲屋佐太男2 柘植光夫2 清野義郎2 白坂祥三2 西村茂樹2 菊池弘明2 田島強2 鈴木竹一3 高谷彦一郎4
所属機関: 1青森県立中央病院第三内科 2弘前大学医学部松永内科 3大畑町立病院内科 4青森県立中央病院臨床検査科
ページ範囲:P.1541 - P.1549
文献概要
Peutz-Jeghers症候群の報告は近年増加の傾向にある.Peutz1)(1921)の記載と,Jeghers2)(1949)の系統的な報告によって,病像の確立されたこの症候群は,すでに外国では200例以上3),わが国でも長州4)(1955)以来80例以上の報告5)がある.
本症候群で臨床上もっとも関心の払われる事項のひとつは,ポリポージスの癌化の問題であろう.他の消化管ポリポージスとは異なり,本症候群のポリポージスの悪性化を否定する報告6)7)が多い.
筆者らは最近,偶然口唇部のメラニン色素斑を指摘された主婦に,上行結腸癌と腸管ポリポージスとが併存している症例を経験し,さらにその家系に明らかな遺伝的関係を見出した.ここに本症例と本症候群に関連する臨床上の2,3の問題点について報告する.
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