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文献詳細

雑誌文献

胃と腸5巻13号

1970年12月発行

文献概要

研究

難治性胃潰瘍に関する知見補遺

著者: 宮下美生1

所属機関: 1宮下胃腸科医院

ページ範囲:P.1683 - P.1688

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 胃潰瘍は適切な保存的治療によって容易に縮小消失せしめることができる反面,また,しばしば再発しやすく,中には保存的治療に抵抗して長い経過をとるものも多いことも,よく知られている事実である.このことから,胃潰瘍は内科的疾患として保存的に治療するべきか,あるいは外科的疾患として積極的に切除するか,種々の見解が対立している.

 病理学的立場から,小出,村上らは,Ul-Ⅰ,Ⅱ,Ⅲなどの浅い方の潰瘍は別として,Ul-Ⅳの深い潰瘍は完治しにくいことを指摘したが,このことは現在広く支持されている.胃潰瘍の経過は,種種の精神的社会的な環境状況が動因として複雑にからみ合うので,一概に論ずることはできないが潰瘍そのものの性質によっても違うことは確かだといってよい.したがって,この点で,実際の潰瘍患者について,ある程度その潰瘍の運命を推測できるようなよりどころとなるものがあれば,臨床家にとっては大変都合がよいと思われる.そこで,臨床的な立場からも,難治性潰瘍の問題がUl-Ⅳの診断の問題とより合わせて論ぜられてきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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