文献詳細
今月の主題 胃肉腫
綜説
胃肉腫―内視鏡診断を中心に
著者: 春日井達造1 加藤久1 坪内実1 八木幹朗1 山岡康孝1 伊藤健1 吉井由利1 久野信義1 高橋淳子1 青木勲1
所属機関: 1愛知がんセンター第1内科
ページ範囲:P.287 - P.299
文献概要
胃肉腫は,従来比較的まれな疾患とされ,その臨床診断は困難で,殆どが癌と誤診され,手術または剖検標本の組織学的検討によって,初めて正診が下されていた.しかし,近年X線,内視鏡,特に細胞診と生検の進歩普及により,漸次術前に正診が得られるようになって来た.
筆者らは,1965年1月より1969年8月に至る約4年8カ月間に当科において内視鏡検査を実施し,手術あるいは剖検,一部は生検により,組織学的に胃肉腫と診断された16症例を経験した.
本稿においては,これら症例の主として内視鏡所見,一部内視鏡を用いた細胞診ならびに生検成績について検討し,併せて文献的考察を試みた.
掲載誌情報