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文献詳細

雑誌文献

胃と腸5巻4号

1970年04月発行

文献概要

今月の主題 胆のう胆道疾患診断法の最近の進歩 綜説

排泄性胆囊胆道造影法について

著者: 松本泰二12

所属機関: 1東京逓信病院放射線科 2日本大学医学部放射線科

ページ範囲:P.415 - P.422

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はじめに

 排泄性胆囊胆道造影法1)は経口性造影剤Telepaque(1949年),および静注性造影剤Biligrafin(1953年)などの,いわゆる3基ヨードの造影剤が導入されてから,胆囊疾患の診断は飛躍的に向上した2)3).そして,これら造影剤による造影法,撮影法については枚挙にいとまなく,今日まで10数年を経過した.

 本邦では,Telepaque4)~6)以後,Telidax(1953年)7)8),Osbil(1959年)9)10),Orabilix(1959年)11),Biloptin(1958年)12),Morpaque(1969年)など種々の造影剤が現われたが,現在主に用いられているのは,Telepaque,Osbil,Biloptinである.

 一方,静注性造影剤としては,当初20%のBiligrafin13)14)であったが,間もなく30%および50%のものが開発され,現在に至っている.

 その後,Bilivistan(1964年)15)が,試験的に用いられたが,胆道の造影時間が延長されるという特長がありながら,筆者の使用経験からも,やや副作用の点でBiligrafinより強く,まだ一般に供せられていないものと思われる.

 さて,以上述べた造影剤を駆使して,診断を高めるべく種々の造影法が行なわれているが,100%の診断を下すのは容易でなく,特に造影陰性例に対しては,術中に診断が決定される症例も稀ではない.

 したがって,排泄性胆囊胆道造影法以外の方法,すなわち,経皮的胆囊胆管造影法16)17),あるいは術中胆囊造影法,腹腔鏡18)による造影法などに加えて超音波診断法19)も行なわれ,これらを総合して確定診断への努力がなされて来たわけである.

 筆者は昭和35年より9年間に3,639例の胆囊造影を,主としてBiloptin Biligrafin併用造影法20)で行なって来たが,その間,各種造影剤による造影法を試み2,3の知見を得たのでここに報告し,排泄性胆囊胆道造影法の最近の進歩として述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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