文献詳細
今月の主題 胆のう胆道疾患診断法の最近の進歩
症例
生検により診断し得た微小Ⅱb型早期胃癌の1例
著者: 大井至1 岩塚迪雄1 市岡四象1 山田明義1 鈴木博孝1 鈴木茂1 長廻紘1 早川国彦1 竹本忠良1
所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター
ページ範囲:P.469 - P.475
文献概要
現在では,早期胃癌の診断は日常茶飯事のことになりっっあるが,そのなかでとくにⅡb型早期胃癌の診断はまだ難かしい点が多い.筆者らは,最近内視鏡検査で異常な発赤としてとらえられ,生検で癌と診断し得た4×4mmの微小Ⅱbを経験したので報告する.この症例は病理肉眼像でも病変を指摘することは困難であり,現在の胃癌診断の限界を示すと思われる.この症例が今後のⅡb型早期胃癌に対する診断の糸口ともなり,癌発生問題への一助となることを期待している.
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