文献詳細
今月の主題 症例・研究 特集
症例
文献概要
胃静脈瘤に関する報告は従来少なく,食道静脈瘤に比して極めて稀な疾患であると考えられてきた.しかしながら食道静脈瘤の存在する門脈圧充進症患者のレ線像をよく検討すると,胃静脈瘤が併存する場合が稀でないこと,また食道静脈瘤を伴わず胃静脈瘤のみ存在する例もあることが認められてきた1).一方血管外科の発達してきた今日,胃静脈瘤の外科的処理の観点から術前に,病変を正確に把握することは緊急の問題であり,その第一段階として胃静脈瘤の正確な診断が要求されるわけである.最近,食道静脈瘤を伴わず,典型的な胃レ線および内視鏡所見を呈し,経動脈性の門脈造影により確診しえた胃静脈瘤の1例を経験したので報告する.
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